Smile With You TOP >> 被災地報告 >> 2012年4月29日 活動報告
2012年4月29 被災地報告
平成24年4月29日 被災地訪問から感じたこと
ヘルスケアプロジェクトなどで被災地の方々とお話をさせて頂くと、皆さんよくご自分の事や震災の事、震災後の事など様々なことをたくさん話してくださいます。これは、被災地の方々は自分たちの事をもっと知ってほしい、という思いが強くあるのではないかと思います。そしてそれは時間が経つにつれて強くなっているような気がしてなりません。被災地・被災者の事を忘れつつある世の中に対して被災地の方々は強い危機感を抱いているのだと感じます。先の見えない将来に対して不安と闘いながら、また忘れられていく不安・孤独と闘っているのだと感じます。
私たちは被災地を訪問し、紆余曲折ありながら約1年間ヘルスケアプロジェクトなどを含め被災地の方々と交流を持たせていただきましたが、被災地の方々に対して何ができたかと聞かれると何もできていないと答えざるを得ないと思います。微力ながら何かできないか、何かしなくてはならないと活動をしてきましたが被災地の状況を変えることも被災者の方々の生活を変えることも当然できません。それでも被災地を訪問し続けることは意味があると私は確信しています。
被災地を訪問することで何を変えることができたかを考えると間違いなく“私自身”です。どれだけ自分が幸せなのか、自分が社会の一員としてどれだけ守られて生かされているのか、そしてその社会を構成しているのは紛れもなく私も含めた個人個人の小さな力であり、またそのつながりであるのだということなどこれまで生きてきた人生の中で一番考えたと思います。何かをしようと被災地を訪問した結果、多くのものを与えてもらったのだと思います。

震災以降1年間で人間の強さだけでなく人間の醜さも多く感じました。むしろ醜さを感じることの方が多かったと思います。自分だけが良ければいいという世の中を変えていかなくてはならないのではないでしょうか?周りに目を向けて人のつながりを本当の意味で大切にしなくてはならないことを理解しなくてはならないのではないでしょうか?
3.11という多大の犠牲を払ったことから前に進むためにも私たちは変わらなくてはならないのだと思います。

自分がどれだけ幸せなのか、幸せとはなんなのか、何が大切なのか、日本中の人々にもっと考えてもらいたいと心から思います。
全ての人に3.11の事を忘れ、風化させてしまっているこの現状をもう一度よく考えてもらいたいと願ってやみません。
木部雅也